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柏レイソル補強評価

【FW】 評価C

《加入》  

ドウグラス(34) 21試合出場/7得点

・森海渡(21)

・真家英嵩(18)

《退団》

クリスティアーノ(34) 31試合出場/7得点

・瀬川祐輔(28) 18試合出場/2得点

・神谷優太(24) 25試合出場/3得点

 

攻撃陣は大幅に入れ換え。チームに残ったのは夏に加入した武藤雄樹と細谷真大のみ。これだけ“主力”が流出しては厳しい評価にせざるを得ない。確かに今季の成績は振るわなかったものの、昨シーズンの柏はFWが得点に専念できる環境ではなかった。戦術面での整備不足の犠牲になったという側面が強い。

またネルシーニョ続投という“継続路線”を選択しながら既存戦力の慰留に失敗(体制の刷新)したのは疑問符が付く。連携面などの攻撃のクオリティ低下に加え、ハードワークを厭わない3選手の退団は守備面でも影響を及ぼす。攻撃の構築が不得手なネルシーニョでゼロからのスタート、現時点では不安の方が大きい。

一方でドウグラス、森といった本職のCFを獲得できたのはよかった。彼らは得点力もさることながら、前線で体を張ったプレーも出来る。昨シーズンはクリスティアーノや武藤など本職ではない選手で凌いでいた時期も長かったがその問題は解消されるだろう。

 

【MF】評価B

《加入》

小屋松知哉(26) 37試合出場/6得点

・中村慶太(28) 18試合出場/1得点

・加藤匠人(22)

・升掛友護(18)

・土屋巧(18)

《退団》

仲間隼斗(29) 24試合出場/2得点

・ヒシャルジソン(30) 25試合出場/0得点

・イッペイ・シノヅカ(26) 14試合出場/1得点

 

大幅な戦力ダウンは避けられたという印象である。退団した3名の穴は決して小さくないが新加入選手と残留する選手を合わせれば大きなダメージにはならない。ヒシャルジソンについては外国籍枠やコスト削減を考えれば致し方ない退団とも言える。

争奪戦となったであろう小屋松の獲得に成功したのは大きい。サガン鳥栖では左WBからCFなど様々な役割をハイパフォーマンスでこなした。柏でどんなポジションを任されるかはまだわからないが、エース級の活躍を見せてほしい。保持の際の攻撃バリエーションを広げるという意味ではキックの精度の高い中村慶太の獲得も評価できる。基本的には2列目での起用になると思うが、展開力のあるボランチとしての仕事もあるかもしれない。

 

【DF】評価B

《加入》

・岩下航(23) 25試合出場/3得点

田中隼人(18)

《退団》

高橋峻希(31) 19試合出場/0得点

山下達也(34) 2試合出場/0得点

出入りの激しい前線とは打って変わり、DF陣は高橋峻希山下達也と出番の少なかったベテラン2名の退団に留まった。新加入もプロ2年目の岩下と高卒ルーキーの田中のみ。基本的なメンバーは変えず、若返りを図った形になった。

大南の右SB起用、古賀のCB起用が増えたことで右は人材過剰、左は更に手薄になっていた。熊本で左WBのレギュラーを掴んでいた岩下の獲得は評価できる。昨シーズンルヴァン杯を経験してる田中隼人もプレー強度には問題ないだろう。

 

【GK】評価B 

《加入》

・猿田遥己(22) 出場試合無し

《退団》

・滝本晴彦 (24) 出場試合無し

 

2020年にセカンドGKの座を掴んだ滝本だが21年はメンバー入りすらほとんど無かった。年齢を考えると出場機会を得るための移籍は妥当だろう。空いた穴には横浜FCにレンタル移籍していた猿田が復帰。基本は正守護神をキムスンギュが、セカンドGKを佐々木が務めることになるだろう。

2022年の展望(柏レイソル)

まずは柏レイソルのオフの入替をおさらい。
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前線のメンバーは大きく入れ替え。大黒柱のクリスティアーノを筆頭に瀬川祐輔や神谷優太、仲間隼斗などネルシーニョ体制下でも出番を得ていた中堅~ベテランの選手が一斉に退団した。逆にDFラインは主力の慰留に成功。

 

来季の柏のサッカーはブロックを敷き、早いカウンター主体となると予想。


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昨シーズンの終盤は4バックを試す試合が多かったが、編成を見る限り基本は3バックか。4バックを行うにはサイドアタッカーが手薄すぎる。

理想的なゲームモデルは2021シーズン22節の鹿島戦のような試合か。中盤の底で引っ掛けて、一気に相手のゴールまで持っていく。

 

多少キツい体勢でも抜群の身体能力でゴールにたたき込めるドウグラス、スピードと万能性を持つ小屋松知哉、精度の高いキックを持つ中村慶太ら3人は手数を掛けずに攻めるサッカーでも大きな力になってくれるだろう。新戦力と現主力のフィットが上手くいけばそこそこ闘えるようにはなるはずだ。

 

しかし中堅~ベテランの主力がゴッソリ抜けた事で攻撃陣の層は明らかに薄くなった。出来れば即戦力級の中堅をもう少し確保しておきたかったところだが、これ以上の補強は無さそうだ。若手の成長が無いと息切れや手詰まりが目立つシーズンになるのは必至。

 

そしてもう一つの懸念がネルシーニョの手腕。昨年のように「実際の試合内容とコメントの乖離が激しい」「主力選手の不自然すぎる退団」「スカウティング不足の露呈」といったモノが多いと個人的には応援できなくなる。新シーズンで変わった姿が見られればいいのだが…。

ネルシーニョの続投は逆に正解かもって話

柏レイソルはここまで仲間隼斗、神谷優太の退団が発表され、クリスティアーノにも長崎移籍の噂が出てきた。瀧川社長は30周年記念への挨拶で厳しい経営状況と経営のスリム化について述べており、柏にとっては苦しいオフになる可能性が高い。攻撃陣についてはガラッと刷新されそうな気配である。

 

ここまで難しい状況だとむしろネルシーニョ続投も間違いではないように思えてくる。ネルシーニョのサッカーはハッキリ言って面白くないし、今後への可能性も感じない。明確なビジョンや魅力的なサッカーが出来ないと有力選手を連れてくるのも難しくなる。ネルシーニョで強くなろうという考えなら勘弁して貰いたいのが本音である。

だが仮にネルシーニョを切ったとしても攻撃陣の入れ換え(流出)が避けられないならどうだろうか。ガッタガタの状態で新しい挑戦を試みるのは失敗のリスクも大きい。そして経営が厳しい状態でJ2に降格した場合、2018年や2010年のようにスンナリと昇格とは行かないだろう。フロントも今はリターンよりリスクヘッジを重要視しているように思う。

 

ネルシーニョはリアリストだ。理想は理想と割り切り、手堅く勝つことを好むタイプである。たとえ停滞のように見えても監督としての勝負強さに賭け、来季を地固めのシーズンにするのならネルシーニョはある意味適任ではある。

今オフはDF陣の慰留により注力し、経営状況の改善を図る。そして地に足がついてから新たな挑戦に打って出る、フロントはこのような展望なのかもしれない。

 

これでDF陣にも主力流出があるとさすがにヤバくなるが、ここまで古賀太陽や高橋祐治、上島拓巳や大南拓磨等、来季の主軸候補達にこれといった情報はない。彼らが残ればネルシーニョのやり方を知っているため、守備の安定性はある程度期待できる。

 

もちろん違約金がネックとなって解任出来ないって可能性もある。だが違約金を払って現有戦力の更なる流出を招くのだけは避ける必要がある。憶測にはなってしまうが、現状を少しでも前向きに考えるお手伝いになったら幸いです。

2021年の振り返り

柏レイソルの2021年は勝ち点41 12勝5分21敗 20チーム中15位という成績で終えた。開幕前からオルンガのカタール移籍によって攻撃力の低下が懸念されたが、それ以外の戦力は軒並み残留。シーズン開幕後にはアンジェロッティやペドロハウルの獲得もあってそこまで酷い評価はされていなかった。

 

ネルシーニョの理想と柏の現実

ネルシーニョは常々「良い守備から良い攻撃」というフレーズを用いる。集中力を保った守備でまずはボールを奪い、手数を掛けずに攻撃に繋げる。そのベースは変えずに今季のテーマはオルンガ1人で完結させていた攻撃により人数を掛けていくことを目指した。第2節の湘南戦の2点目、ヒシャルジソンや椎橋が絡んで取った呉屋のゴールなどはネルシーニョが狙いとしていた“理想の形”だったのだろう。

https://youtu.be/V1FMIZeCfRU

 

しかし当然ながらボールを失った相手がカウンターを警戒しないわけがない。まして柏は昨シーズンカウンターで勝ちを積み上げたチーム、相手ゴールへの最短ルートにいるCFにチェックが入るのは自明の理だった。普通ならここでボールを保持しながら落ち着いて攻める箇所を探すのだが、それまでのスタンダードを意識するあまり柏はやみくもにボールを蹴ってしまう。個人の技術もあるが、それ以上にどう攻めるかの共通理解が欠けていたのだ。

 

そして得点が取れなくなると当然守備にも影響が出てくる。DFラインを高くしてボールの奪取地点(カウンターの開始地点)を高くしたものの背後を突かれるパターンやCBとCBの間、CBとボランチの間を使われて失点というパターンが多くなった。昨年はオルンガの存在からDFに人数を使えたのだが得点不足と安定しない守備によって程よいバランスが見つからなかった。

 

そこでネルシーニョは守備の安定を第一に考え5-4-1を採用。ポゼッション時の共通理解を深めるのではなく守備に人数を掛ける“負けない”サッカーを選択した。受け身の時間が長くなるので安心感は無いが“どんな形でも1点取れば勝てる”雰囲気が作られた。追い風となるようにペドロハウルなど助っ人外国人も合流。しかしペドロハウルは合流後まもなく肩の負傷で戦線離脱。また徳島戦の5得点解消から一転、仙台戦では0-1で敗戦。

わずかに積み上がっただけの手応えと自信、戦術兵器となる助っ人の離脱で再びチームは自分達の“形”を見失ってしまう。5月の公式戦8試合は3分5敗の未勝利で終わった。

 

10番の退団 中断直前に見えた光

6月に入ってから柏の攻撃を牽引してきた10番の名前が無くなる。独力でチャンスメイクが担える江坂の離脱によって柏は再び攻撃の拠り所を失うハメに。日本代表の穴など簡単に埋まるはずもなく、6,7月も苦戦。それでも湘南戦でペドロハウルが戻ってきたことで攻撃力は上昇。さらに鹿島戦では奪ってからのカウンターが冴えた。中断直前に光が見えた。

 

まあその中断期間では江坂任及び酒井宏樹浦和レッズ移籍によって柏サポーターのメンタルはゴリッゴリに削られたが。

 

中断期間明けの立て直し

中断期間明けの柏はそれまでが嘘かのように勝ち点を稼いでいく。28節のFC東京戦までの6試合を4勝1分1敗という好成績で駆け抜けた。しかし9月21日に突如ペドロハウルのメキシコ移籍が発表される。直前の広島戦を0-3で落とした柏にとって追い打ちともいえる移籍だった。

 

4バックへの挑戦

ペドロハウルが正式にチームを離れてからのガンバ戦、ネルシーニョは4バックにトライする。前線でのキープ、決定的な仕事を両立できるタレントが完全にいなくなったことでどこかで時間を作る必要があったのだ。ガンバ戦こそセットプレー2発に沈んだものの、仙台戦、清水戦では保持の時間を長くしつつ直接対決で勝ち点を得ることに成功。そして35節のセレッソ戦に勝ちきり柏は残留を果たした。一方で「来季へのベース作り」と定めた36節~38節の3試合では勝利を挙げられず。布陣も4バックと3バックを併用したこともあって戦術も一貫せず、来季への期待値を高めることには失敗した。

 

来年での巻き返しのために 

柏に必要なのは意思疎通の徹底

ポゼッションをやるにしてもカウンターを磨くにしても必要なのはピッチ上での“迷い”を無くすことだ。相手の出方を見て判断できれば理想的だが、現実はそんな簡単にはいかない。スカウティングを徹底し、どこで奪ってどこから攻撃に繋げていくか。ネルシーニョに求めるのはその整備向上だ。CFの層の薄さはオフの補強で解消するだけ。

低調なシーズンを終えてなお続投を決めた以上、来年は何が何でも結果が求められる。

「これが俺たちの応援する柏レイソルだ!」

そんな柏が来年こそ観たい。

 

#レイソルにおいでよ

以前までTwitterでやってきた #レイソルにおいでよ シリーズですが、この冬はブログでまとめて予想する形にしようと思います。

ネルシーニョ続投でまあ、どんな選手が合いそうかという予想はしやすいので…。

 

うん、オフの補強に期待しましょう。

 

クレーベ(横浜FC)

31歳/187cm

サイドからのクロスにヘディングで合わせるゴールパターンを最も得意としているパワー型CF。187cmの長身でハイボールにも強く、屈強なフィジカルによるポストプレーも持ち味。とにもかくにも柏に必要なのはボックス内で強さを発揮するストライカー、Jクラブからの獲得になるので渡航制限の影響も最小限に抑えられる。今季横浜FCに加入したものの、クラブが夏に大型補強を行った影響を受けて後半はほぼ出番無し。横浜FCのJ2降格も考えると獲得のハードルはそこまで高くないだろう。

 

渡邊泰基(ツエーゲン金沢) 

22歳/180cm

金沢で主力を担っている左SB。左利きだが今季は右足で2点取っておりその内の1点はカットインから叩き込んだ形。運動量や球際など守備面で定評のある選手。180cmとサイズのあるSBなのでネルシーニョの好みにも合う。

柏の左SBは三丸に負担が集中、古賀も来年はCBでの起用が主になると思うので左SB(左WB)は補強必須、年齢的にも三丸(28)と大嶽(19)の間くらいなのでちょうどいい。

 

中原輝(モンテディオ山形)

25歳/169cm

右サイドを主戦場とする左利きのアタッカー。魅力は左足から繰り出される強烈なシュート、中に斬り込むだけでなく縦に行くこともできるJ2有数のドリブラー。セットプレーのキッカーも出来る。純粋なサイドアタッカー、そして左利きの攻撃的選手は今の柏にはいない。1vs1で打開できる選手は攻撃が詰まりがちな今の柏に欲しい。

 

池田廉(FC琉球)

24歳/177cm

大卒2年目のOMF。FC琉球では主にトップ下でプレー、今季はここまで6得点。攻撃に推進力をもたらし、前線と後方のリンクマンとなれる。また守備の強度も高く相手のボールの出しどころにもしっかりとケアが出来る。江坂が抜けてトップ下の本命がいない中その役割を担えそうな存在。千葉県出身で習志野高校育ち。地元のJ1に凱旋してほしい。

 

カルリーニョス・ジュニオ(清水エスパルス)

27歳/174cm

一瞬のスピードが魅力の万能アタッカー。もともとはWGを本職としていたが清水ではCFで起用される試合も多かった。ドリブルで相手を躱すことも出来るし、味方との連携に絡むことも出来る。昨年は相手によってシステムが変わりがちな柏だがどのシステムにも適応可能なのは大きい。

 

小田逸稀(ジェフ千葉)

23歳/173cm

2020年は町田、2021年は千葉で武者修行。保有権は鹿島が持っている。左右どちらのサイドでもプレーが可能なSB兼WB。町田では右SB、千葉では左WBでプレーしている。長身ではないが空間認識能力が高くヘディングはめっぽう上手い。鹿島では同年代の常本が台頭、獲得のチャンスはあると思う。

右も左もこなせる万能性は魅力であり、柏の課題であるセットプレーでの得点の少なさを解消しうる人材だ。鹿島では同年代の常本が台頭、獲得のチャンスはあると思う。

 

金子大毅(浦和レッズ)

23歳/177cm

今季湘南から浦和に移籍したもののここまでは357分の出場(先発は3試合)に留まる。球際の強さを活かしたボールハントや広範囲をカバーする走力はあるが繋ぎや攻撃面に課題があり序列は高くない。しかし中央で引っ掛けてカウンターが主体の柏なら保持が主体の浦和より持ち味が出やすいはず。最近は浦和とのやり取り多いのでもしかしたら、市船出身で千葉県にも縁がある。

レイソルの補強

《CF》

クリスティアーノ(34)

細谷真大(20)

瀬川祐輔(27)

武藤雄樹(33)

アンジェロッティ(23)

△ペドロハウル(25):フアレス🇲🇽

 

終盤は武藤とクリスの起用が多くなっているがペドロハウル(→フアレス)や呉屋大翔(→大分)の退団もあってレギュラーと呼べる選手は表れなかった。来年上位に出ていくためにも本職の大型ストライカーは必要。

◎ポジティブ要素

プロ2年目の細谷の成長は今後に向けて明るい材料。また来年は柏U-18から真家英嵩の加入も内定。185cmのサイズをほこる大型ストライカーだ。

 

《攻撃的MF》

仲間隼斗(29)

イッペイシノヅカ(26)

神谷優太(24)

マテウスヴィオ(24)

鵜木郁哉(20)

山田雄士(21)

菊池大介(30):栃木SC

 

江坂任(→浦和)の流出は手痛い損失だったが神谷やサヴィオといった東京世代の奮起によってどうにか持ち直した。このポジションはボランチの戸嶋やCFの瀬川やクリスもプレー可能なので枚数は揃っている。その一方ドリブラーが不足気味、1vs1で縦に抜ける選手が1人欲しい。

◎ポジティブ要素

攻撃面でのアイデアを出せるサヴィオ&神谷を併用できるシステムが出来つつあるのはポジティブな要素だ。逆に仲間や戸嶋などハードワークをウリにしている選手もいる。バリエーションは豊富と言える。

また来年は柏U-18から升掛友護の加入が内定。積極的な仕掛けに加え、柏U-18では本職ではないがCFも経験済み。

 

ボランチ

大谷秀和(37)

三原雅俊(33)

ヒシャルジソン(30)

戸嶋祥朗(26)

ドッジ(25)

椎橋慧也(24)

 

シーズン全体を振り返るとヒシャと椎橋のセットが多かったが終盤は三原とドッジの起用が多くなっている。怪我から復帰した戸嶋や新加入の椎橋もコンスタントに試合に絡んでいる。ゲームメーカーがドッジしかいないのは気がかりだがネルシーニョは球際が弱い選手は使わないので陣容としては安定している。

◎ポジティブ要素

フルミネンセの主力だったドッジがここに来てコンディションを上げているのは大きい。来季のキーマンになり得る選手だ。

また新戦力として来年は筑波大学から加藤匠人、日体大柏から土屋巧の加入が内定。加藤は止める蹴るの技術が高く、中盤でのハードワークも光るプレーヤー。土屋は左右両足から繰り出すフィードと対人の強さが魅力。日体大柏では3CBの中央でプレーしていた。若手が加わり年齢バランスはグッと良くなる。

 

《右SB》

高橋峻希(31)

北爪健吾(29)

川口尚紀(27)

大南拓磨(23)

△田上大地(28):アルビレックス新潟

 

本職が3人もいるがコンスタントな起用を受けているのは本来CBの大南。184cmのサイズとスピードを活かしたカバーリングは守備面でのメリットが大きい。昨年から含めてレギュラーが定まらないのでオフに入れ換えはあるかもしれない。

◎ポジティブ要素

最初はアラが目立った大南の右SBも板についてきた。CBとしての守備はそのままに攻撃面でも成長を見せている。また本職が3人いるので現時点ではバックアップも充実している。

 

《左SB》

三丸拡(28)

大嶽拓馬(19)

△杉井颯(21):ガイナーレ鳥取

 

左SBは右SBとは打って変わってかなり手薄なポジションだ。今年ユースから昇格してきた大嶽はプロに適応するまでもう少し時間が必要そうで、現時点では三丸に負担が集中している。現在CBを務めている古賀を回すことも出来るが、枚数の少なさをカバーする意味でも補強は必須。

◎ポジティブ要素

三丸の奮闘によって手薄ながらも“穴”にはならなかった。鳥取でそこそこ出番を得ている杉井を戻すのもありか…?

 

《CB》

染谷悠太(35)

山下達也(34)

高橋祐治(28)

エメルソンサントス(26)

上島拓巳(24)

古賀太陽(23)

鎌田次郎(36):SC相模原

 

CBは本職が6人、4バックで基本的に起用される選手は2人ということを考えるとやや戦力は過剰気味。中堅~若手にあたる選手が起用されることが多いので高橋祐治、上島、古賀を残せれば多少の入れ換えで足りると思われる。

◎ポジティブ要素

前述の通り比較的若い選手が軸となっているので年齢バランスは悪くない。

また新戦力として柏U-18から田中隼人の加入が内定。大型左利きCBというロマン溢れる存在で、既にルヴァン杯でトップチームデビュー済み。間違いなく1年目から試合に絡んでくるであろう。

 

《GK》

キムスンギュ(31)

滝本晴彦(24)

松本健太(24)

佐々木雅士(19)

桐畑和繁(34):FC岐阜

△猿田遥己(22):横浜FC

 

GKはスンギュが残るかどうかが最大の焦点だ。既に蔚山や全北など韓国のクラブが獲得に動いているという。佐々木や滝本もルヴァン杯などで好プレーは見せたがリーグ戦を任せられるとまではいかない。万一スンギュが移籍するとなったらCFと並んで今オフの最優先補強ポイントになる。

◎ポジティブ要素

高卒ルーキーの佐々木雅士がいきなり2ndGKを任されたのは驚きだった。ビルドアップ能力は間違いなく頭1つ抜けており、今後の成長が非常に楽しみな逸材だ。

 

 

 

 

“らしくない”采配目立つネルシーニョ

ここ最近のネルシーニョの采配は“らしくない”。本来ネルシーニョの戦い方は相手に合わせて戦い方(主に守備戦術)を変え、試合の流れを読んで的確なアプローチを施していくやり方。勝利への拘りを徹底的にチームに植えつけ、勝っていくことで強さを積み上げていくタイプのはずだ。

 

ところがここ最近は相手に合わせたというより4-4-2での保持に固執している。名古屋戦でも4-4-2のシステムを続けていたのは「勝つ」こと以上に「ディテール含めた底上げ」を狙っていたからのように見える。

 

ここからは俺の想像だが、ネルシーニョの来季の続投はそれなりに高いのではなかろうか。思い出してほしいのだが開幕戦でネルシーニョは4-3-1-2の布陣を用意してきた。失点が止まらないことで3バックに変えたが。

ネルシーニョがあくまで4バックで考えているのだとしたらこの終盤戦を来季へのベース作りに費やしてる可能性はそれなりにある。今季での退任が決まっていてやる気がないって可能性も無くはないが、前者の方が“らしくない”采配への筋が通りやすいのだ。

 

個人的には今季でネルシーニョとの契約を満了とした方がよいと考えるが、フロントは続投させるならサッサと公式発表してほしい。