24/25移籍市場における柏レイソルの考察
柏レイソルは今冬、大きな転換期を迎える。井原体制の終了が決定、2019年から続いたネルシーニョ体制が本当の意味で終わるときが来たと言える。
新監督は徳島や浦和を指揮した経歴のあるリカルド・ロドリゲスの就任が濃厚。組織的な攻撃的スタイルの構築に定評のある指揮官なので、ここ数年の攻撃における停滞感を感じるサッカーからの脱却を期待したい。
まずは現有戦力の去就について。長期体制の終わりにおいて、主力を含めたある程度の入れ替えは避けて通れない。既にサヴィオや細谷に移籍の報道が出ている。柏レイソルの象徴でもある選手なので、サポーター心情的には辛いところであるが、ネルシーニョ政権から在籍してる選手に関しては小さくはない入れ替えがあるはず。リカルド・ロドリゲスの下、柏が生まれ変わるなら彼らとの別れもある程度覚悟しておかなくてはならないだろう。
今オフ、柏が強化するべきポジションは中盤やサイド。リカルド・ロドリゲスの過去の采配傾向から見るに基本布陣は4-2-3-1といったところか。逆に補強の優先度合いが低そうなのはCBやCF、GK等か。
まず補強ポイントとして挙げたいのはサイド及び2列目のアタッカーだ。井原体制では右に山田雄士、左にサヴィオという配置が多かった。他に2列目でプレーする選手というと小屋松や島村、熊澤等が挙がる。また、来季の加入が内定している中川敦瑛(法政大学)や中島舜(流通経済大学)も基本適性は2列目だ。
サヴィオは既に争奪戦が起きている事が報じられ、小屋松も在籍年数や今季の成績を考えると去就はかなり不透明だろう。現状、残留が濃厚と言える選手はいないように思う。
〈獲得候補〉
・渡井理己(徳島ヴォルティス)
・小泉佳穂(浦和レッズ)
・伊藤達哉(マクデブルク🇩🇪2部)
・カピシャーバ(セレッソ大阪)
渡井や小泉はリカ将の下でプレー経験があり、当時は主力としてプレーしていた。2人ともサイドよりは中央で持ち味を出す選手だ。伊藤は細かいドリブルを得意とする選手であり、現状の柏にはいないタイプだ。海外でプレーしていた日本人選手がJに復帰するのはここ最近のトレンドとなっている。カピシャーバはシンプルにスピードとパワーで相手を抜くタイプのアタッカー。やはり柏にはいないタイプ。
ボランチは保持で強みを出せる手塚とリカ将の下でのプレー経験もある白井の組み合わせが基本となるか。戸嶋や土屋、熊坂等がボランチとしてプレーしている。
比較的最近に加入した選手が多いので大きく入れ替わる事は想定しづらいものの、岩尾憲のようにアンカーとしての能力が高い選手を1名加えたいところだ。とは言えJリーグでプレーする選手ではなかなか思い当たる人材がいないため、いっそ割り切って国外から探しても良いとは思ってる。
SBも入れ替えが予想されるポジション。三丸や川口は第2次ネルシーニョ政権の初年度及び2年目から在籍しているが、ここ数年は出場機会がかなり下がっている。関根も海外移籍への思いは強そうなので、そう長くは引き留めておけないはず。戦術理解度が高く、左右のSBをこなせる片山は残したいところだが…。
〈獲得候補〉
大崎航詩(水戸ホーリーホック)
小池龍太(横浜Fマリノス)
飯野七聖(ヴィッセル神戸)
左SBはジエゴが引き続きメインを務めると仮定するが、不用意なファールをしやすい傾向がある。三丸はここ数年の出番の少なさや適性を考えると退団は十分あり得る。大崎は複数の役割をこなせる万能性と安定感のあるプレーが魅力だ。
右SBは引き続き関根にメインを務めてほしいところだが、先に述べたようにそう長いこと柏にはいないはず。パスサッカーへの適性が高い小池、飯野らが加入してくれたら心強い。
CFは細谷の去就が不安視されているものの、1トップが基本と想定するとCFはむしろ人が余り気味にある。今季10得点の木下とリカ将の下でのプレー経験がある垣田、東京国際大から加入する古澤ナベル慈宇の3枚で枚数は揃う。元々垣田と古澤は細谷の流出に備えた加入にも思えるため、仮に細谷が退団となったとしても編成的なダメージはそこまで大きくないのではないか。もちろん生え抜きのエースなので残留するならベストだが。
CBは現状の編成で言う事が無い。古賀と犬飼も(少なくとも国内)流出は考えにくく、この終盤にきて立田が安定感を増しているのも大きい。新加入の野田が今のところ4番手という状況である。
来季は中京大の桒田大誠が加入することを踏まえると、無理に田中隼人を戻す必要も無いように思える。むしろ田中隼人を戻すなら誰かしらを放出しなくてはならない。本人がJ1でやりたいと言うなら別だが、もう1年長崎で修行してもらうのも悪くはない。
GKは年間を通じ松本健太が正GKの地位を守り抜いた。ただし松本は脳震盪の影響で1ヶ月ほど戦線を離脱する時期があったので、逆に佐々木や守田がそこで定位置を奪いきれなかったのは懸念点。リカ将は極端に足元の技術を備えたGKを使うイメージは無いので松本が残ればそこまで即戦力級を連れてくる必要は無いと思うが…。
柏のオフを考える【CB編】
このポジションはオフシーズンから慌ただしく、編成を最も不安視されたポジションだった。高橋、上島、大南といったここ数年のレギュラー格を一斉に放出。一方で新加入でCBが本職のプレーヤーは立田のみだった。
古賀・立田がメインの4バック式でスタートしたもののとにかく勝てず。シーズンが進むに連れ立田は軽率なプレーが目に付くようになり、成長が期待された田中隼人も期待には答えられず。
開幕後に慌ててフリーだったブエノを獲得したがリーグ戦出場はわずか1試合のみ。怪我で戦線を離脱してしまった。
転機となったのは夏の移籍市場で犬飼を獲得してから。DFリーダーに定着した犬飼の個のパフォーマンスはもちろん、連動するようにチームは勝ち点を積んでいった。チームとして守備が整理されたのも大きいのだろうが、経験豊富な犬飼の加入は大成功だった。
また、層が薄い中で着実な成長を遂げた選手もいる。高卒2年目の土屋は一気に出場機会を伸ばした。
オフのテーマは兎にも角にも犬飼を完全移籍で引き抜けるかだ。レンタル元の浦和ではほぼ出場機会が無かったので充分可能性はあると思うが…。
犬飼が残留となった場合、
犬飼・古賀・立田・ブエノ・田中
という体制になる。桒田が引き続き特別指定選手に登録されるだろうことを考えると田中が期限付き移籍に出される可能性もある。3バック採用時はジエゴや土屋も対応可能。質や選手層は充分だろう。
柏のオフを考える【GK編】
当初は佐々木を1stに置き、守田と競争させるという形でスタートした。パリ五輪を見据え佐々木を最大限成長させようという目論見だったが、結果としては失敗に終わった。佐々木はプレシーズンマッチから低調なパフォーマンスに終止し、守田も期待に答えられなかった。
一方で鹿島戦で起用された松本が柏にリーグ戦初勝利をもたらすと以降は正GKの座を譲らず。2ndGKの座を佐々木と守田で争っているのがシーズン終盤の状況である。残念ながら猿田は出場機会が無かった。
松本の成長は来季に向けてポジティブな要素だが、やはり正直なことを言わせてもらえば昨夏に退団したキム・スンギュの穴を埋められたとは言い難い。できればセービング力に長けたJ1レギュラー格のGKを獲得したい。
獲得候補:ヤクブ・スウォビィク(FC東京)
FC東京に加入して今年で2年目、昨シーズンに続き前半戦はレギュラーだったが後半戦は野澤大志ブランドンに正GKの座を譲っている。FC東京は長崎に期限付き移籍中の波多野も長崎で正GKの座を掴んでいる。パリ五輪を考えれば、このまま野澤メイン、競争相手として波多野は充分考えられるだろう。
キーパーとしての個の能力、特にセービング力に関して実績は充分。
セレッソ大阪戦展望
【柏レイソル】
・前節はガンバ大阪と対戦し、0-0の引き分け。
・ガンバ戦では8試合ぶりに無失点。高橋祐治が復帰したこともあって守備の安定感を取り戻しつつある。
【セレッソ大阪】
・前節は湘南ベルマーレと対戦し、1-1の引き分け。
・加藤睦樹のゴールで先制も、終了間際にオウンゴールで勝利を逃してしまった。
・この試合の後は中3日でFC東京戦。
柏もセレッソもともに前節は残留争いに参加しているクラブ相手に勝ちきれず。柏としては7試合勝利が無いためそろそろ勝利をつかみ取りたい。
セレッソも前節戦ったガンバと同じように4-4-2が基本布陣のチームだ。しかしセレッソはよりアグレッシブにプレッシャーを掛けてくる。現在4位にいるだけあって戦術の習熟度は比にならない。
ガンバ戦展望
【柏レイソル】
・前節はホームで川崎に1-1の引き分け。先制されるもドウグラスのゴールで追いつく。
・川崎戦では今季初めて4バックスタート。
・脳震盪の高橋裕治やU-19代表戦に帯同していた田中隼人はチームに合流。
【ガンバ大阪】
・前節はアウェーで神戸に1-2の敗戦。レアンドロペレイラのゴールで先制するも終了間際に痛恨の逆転負け。
・残留を争う神戸、湘南、京都より消化試合が1試合多い状態で降格圏の17位。
・松田新監督に代わってから2勝1分3敗。フォーメーションはオーソドックスな4-4-2が基本となる。
2週間の代表ミッドウィークを経てJリーグが再開、残りは4試合といよいよシーズンもフィナーレが迫ってきた。
柏は6試合勝利無しと状況はよろしくないが、前節は川崎を相手に引き分け。直近数試合は守備がハマらず失点を重ねる試合が多かったが川崎戦では失点を1と最小限に留めた。DFリーダー高橋の復帰も追い風になる。攻撃面では長期離脱から戻ってきたドウグラスが4試合で3得点と絶好調。
対象的にガンバは崖っぷちに立たされている。前節は同じく残留を争う神戸にまさかの逆転負け。消化試合数の差も考えるとこれ以上の負けは致命傷、残り試合で横浜FM、鹿島と難敵とのゲームが残っていることを踏まえるとまだ勝ちが望める柏との試合は落とせない。
2023ACL出場争いについて
【Jリーグ勢の出場枠は3+1】
ストレートinの枠から見ていきましょう。9/19時点での順位がこちら
まだ変動はあると思いますが、横浜FMはこのまま首位でシーズンを終える、少なくとも3位以下に落ちることはほぼ無いと思うので横浜FMの出場は確定と言っていいと思います。川崎も底力のあるクラブですからここから順位を落とす可能性は低いかと。
2位以上の可能性があるのは広島くらいでしょうか。ただし広島は上記の2クラブより1試合消化試合が多いので厳しい状況なのは否めません。

上のが上位6チームの残りの対戦相手なんですが、見ての通り上位陣での直接対決がほとんどありません。C大阪と柏がぶつかるくらいで、特に横浜FM・川崎・広島は上位組との対戦が皆無です。直接対決で差を縮めるといった場面が無いのでやはりこのまま横浜と川崎が逃げ切りフィニッシュになる可能性のほうが高いかと。
天皇杯優勝クラブについて
大会自体はベスト4まで揃っています。
一発勝負の舞台なのでどこが勝っても不思議ではないのですが、地力を考えると鹿島と広島が抜けていると思います。リーグ戦の成績を踏まえると広島が有力かなあと思いますが、鹿島は伝統的に一発勝負とかここぞって試合で強いですからねえ…。ちなみに今年のリーグ戦では広島が鹿島に2勝してます。
【プレーオフ枠について】
最初にも書きましたが前年のACL優勝クラブかJリーグ3位に出場枠が与えられます。ちなみに優先度が高いのはACL優勝クラブの方です。
2022年ACLについては浦和レッズが決勝進出を決めています。決勝は来年の2月に行われます。浦和はACL優勝を2回成し遂げているので可能性は充分ありますが、オフ明けいきなり決勝戦ですので難易度は正直桁違いです。対戦相手となる西地区のクラブは2/3からのトーナメント戦から間を空けずに決勝戦まで臨めますからね。コンディション面では明らかに不利なんですよ。唯一の救いは決勝の2戦目をホームでやれることでしょうか。
仮に浦和が決勝戦にて敗れた場合は3位のクラブになるのですが、残りの試合数=逆転可能な勝ち点差というセオリーを踏まえると広島・C大阪・鹿島までの争いになるでしょうね。
広島と鹿島は天皇杯枠で出る可能性もありますから、シーズン終了までもつれるとは思います。
浦和戦展望
【柏レイソル】
・前節は磐田に2-2のドロー決着。前半に2点を奪うが後半に2失点、これでリーグ戦は4試合勝利がない。
・前々節のFC東京戦で長期離脱から復帰したドウグラスが2試合連続ゴール。武藤も磐田戦で1ゴールなど好調を維持。
・U-19日本代表に招集された田中隼人は浦和戦出場できない。
・直近5試合で9得点13失点、点が取れてることはポジティブだが守備が崩れ気味。
【浦和レッズ】
・前節は鹿島に2-2でドロー。前半27分までに2点を取られるが巻き返す。
・鹿島戦では酒井宏樹、西川周作、江坂任、岩尾健といったメンバーがベンチ外。酒井宏樹は右足肉離れ(全治未定)と発表された。
・公式戦は直近5試合で19得点4失点。